なぜ田植えをするの?わざわざ苗をハウスで育てて田んぼに植える理由は?

田植えをするのは何故?

〜イネの苗を苗代でつくってから水田に移す理由〜

田植えの意義とは

野菜を作るときは,
種を畑に直接播いて作る事が多いです。

しかし、イネでは苗を苗代で作ってから、
わざわざ水田に移す【田植え】を行うのが一般的です。

では、何故わざわざ手間のかかる【田植え】を行うのでしょうか?

田植えの歴史

そもそも、
日本に水田稲作が伝わったのは、
縄文時代晩期後半だと考えられています。

その当時から、
水田に苗を移植、
つまり田植えをしていたかどうかは、
議論が分かれるところだそうです。

例えば、『日本大百科全書』(小学館)には、
苗代で苗を作って水田に移植する栽培方法(=田植え)が一般化したのは、
奈良時代になってからのことで、
それまでは種子を水田に直接播いて栽培(=直播き栽培)していたそうです。

一方、『稲作の起源を探る』(岩波書店)では、
直播き栽培というのは高度な技術であり、
稲作初期は移植であったと考えるべきだ、と述べられています。

全く逆のことが述べられているのです。。。

稲作初期の栽培方法が、
田植えか直播きかというのはさておきます、、、

苗を水田に移植するメリット

本題に戻りまして、、

苗代で作った苗を、
わざわざ水田に移植することにどんなメリットがあるのでしょうか?


種子の発芽には、
適度な酸素、水分、湿度が必要です。


水田に種子を直接播くと、
水の中なので酸素不足となって発芽しにくいのです。


土中に潜り込んでしまった場合でも同じです。

また、うまく発芽したとしても、
水田には雑草の種子も紛れ込んでしまっているので
雑草の旺盛な繁殖力に負けてしまって
イネの生育が阻害されてしまうこともあるのです。

イネの種子は米であり、
そのまま食料になるものですので
水田稲作が伝来した当時は貴重品だったはず。

種子を確実に発芽させるために、
苗代で集中管理をし、育った苗を水田に移植した方が
種子の無駄が無くなるのです。


(作物研究所・井辺時雄部長)

余談ですが、、
現在日本では移植栽培が中心ですが、
アメリカやヨーロッパ諸国では、
ほぼ100%が直播き栽培となっています。

驚きですよね👀

昔に比べて米の価格が下がったことにより
栽培に手間をかけられないからです。

一軒の農家で何十ヘクタールもの水田を管理するのには
コストも労力もかかります。
イネを作るうえで、
田植えをするというのは一つ要素が多いわけですから、
種子をばら播いたほうがはるかに労力を減らせます。

例えば、アメリカでは
小型の飛行機を使って種子を水田にばら播いているし、
フィリピンやマレーシアなど東南アジアの国々でも
最近は直播き栽培が増えているといいます。

アメリカなどで
ドローンを使って農薬を散布している様子です



日本では現在のところ、
直播き栽培は水稲の総栽培面積の1%に満たないですが、
これからはどんどん増えていくであろうと、
予想されています。

まとめ

イネの苗を苗代で育ててから
田んぼに移植する理由は、


田んぼの中は、水が張っていて
そこに直接種を播くと、
空気が少ないため発芽がしにくいです。
その無駄を防ぐために、
確実に苗を育ててから移植をしているというのが答えです🙆

ここまで読んでいただきありがとうございました!

次回もお楽しみに(^^)

いづよねスタッフ ちー