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玄米と白米の違いは?栄養・カロリー・糖質・炊き方を米屋が解説

「玄米と白米、結局何が違うの?」「玄米のほうが栄養があるの?」「炊き方も変わる?」。お米屋さんの店頭では、こんな質問をよくいただきます。

玄米と白米の大きな違いは、ぬか層や胚芽が残っているかどうか。玄米のほうがビタミンB1やマグネシウムなどを多く含みますが、炊いたご飯のカロリーは大きく変わりません。味と香り、食感、炊き方にも違いがあります。

創業1889年、神戸の米屋「いづよね」。五ツ星お米マイスター5名が在籍するお店の代表・川崎恭雄(やすお)が、いつもの接客でお伝えしていることを、栄養データと実際の食べ比べを交えてお話しします。

目次

🌾 玄米と白米の違いは「精米する部分」にある

田んぼで実ったお米は、最初は「籾(もみ)」という殻に包まれています。その籾殻を取り除いたものが玄米。玄米の外側にあるぬか層と胚芽を主に削ったものが、白米です。

籾 → 籾殻を取る → 玄米 → 精米する → 白米

お米の中心には、でんぷんを多く蓄える「胚乳(はいにゅう)」があります。玄米には、それを包むぬか層や胚芽も残るため、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの含まれ方が白米と異なります。

精米するとお米の重量も減ります。一般的に、玄米10kgから白米になるのはおよそ9~9.2kg。減った分の多くは、取り除かれたぬか層や胚芽などです。

📊 玄米と白米を一目で比較

比べるポイント 玄米 白米
見た目 薄茶色。ぬか層と胚芽が残る 白色。主に胚乳が残る
味 コクが濃く、独特の風味や甘みを感じる すっきりとして、おかずに合わせやすい
香り 香ばしさがある 炊きたての甘い香りが立つ
食感 粒感・噛み応えが出やすい。品種によってはもちもち やわらかく、食べ慣れた口当たり
栄養 ビタミンB1、マグネシウムなどが比較的多い それらは少なくなるが、主食のエネルギー源
炊飯の基本 玄米用の水加減・玄米モード 白米用の水加減・白米モード
料理との相性 カレー、チャーハンなどにも 焼き魚、梅干し、卵かけご飯などにも

※味・香り・食感・料理の相性は、いづよね代表の食べ比べによる感想です。品種や炊飯方法、好みにより変わります。

🥬 栄養の違いは?炊いたご飯100gで比べてみた

「玄米のほうが栄養豊富」と聞くことがあります。実際、比べる栄養素によっては大きな差があります。ただし、生のお米と炊いたご飯では水分量が違うため、数字を混ぜて比べることはできません。

下の表は、文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」にある、炊飯後の玄米ご飯と白米ご飯、それぞれ100g当たりの値です。

栄養成分(炊飯後100g当たり) 玄米ご飯 白米ご飯
エネルギー 152kcal 156kcal
たんぱく質 2.8g 2.5g
脂質 1.0g 0.3g
炭水化物 35.6g 37.1g
食物繊維(プロスキー変法) 1.4g 0.3g
ビタミンB1 0.16mg 0.02mg
ビタミンB2 0.02mg 0.01mg
マグネシウム 49mg 7mg
鉄 0.6mg 0.1mg
カリウム 95mg 29mg

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」玄米ご飯・白米ご飯。食物繊維は測定法をそろえるため、玄米・白米ともプロスキー変法の数値を使用。いづよねの商品そのものの分析値ではありません。

玄米には、ビタミンB1やマグネシウムなどが白米より多く残っています。これは、ぬか層や胚芽を残していることと関係しています。

なお、食品成分データベースの一般成分表には、白米の食物繊維として1.5gが表示されます。こちらは新しい測定法による値で、玄米の1.4gとは測定法が違います。表では同じ方法にそろえ、数字を比較しています。

🔥 カロリーや糖質は、どちらが少ない?

玄米を食べれば、白米よりずっと低カロリーになると思っていませんか?

炊飯後100gで比較すると、玄米は152kcal、白米は156kcal。差は4kcalです。茶碗1杯を150gとすると、玄米228kcal、白米234kcalという計算になります。

炭水化物は玄米35.6g、白米37.1g。さらに成分表の「利用可能炭水化物(質量計)」では、玄米32.0g、白米34.6gです。この項目を食品表示の「糖質」と完全に同じものとして扱うことはできませんが、玄米が極端な低糖質食品というわけではありません。

ですから、「玄米にするだけで必ず痩せる」というものではありません。 食事の総量やおかず、生活習慣も大切。玄米には玄米の、白米には白米の良さがあります。

😋 味・香り・食感は、数字以上に違う

ここからは、お米屋いづよねが一番お話ししたいところです。

やすおは玄米と白米を食べ比べたときの違いを、こんなふうに話します。

「玄米は味がはるかに濃い。すごく甘くて旨味もあるけど、雑味もある。香りは香ばしい。白米は炊きたての、あの甘い良い香りがするんです」

玄米の香ばしさや味の濃さが好きな人もいれば、白米のすっきりした口当たりが好きな人もいます。好みが違うのは当然です。

また、玄米だから必ず硬く、ぱさぱさしているわけではありません。 品種や炊き方によって、粒感の強い玄米もあれば、甘くもちもちした玄米もあります。

やすおの「このおかずには、こっちのお米」

白米で食べたい:梅干し、紅鮭、卵かけご飯、炊き込みご飯。

玄米で食べたい:ちりめんじゃこ+醤油、チャーハン、カレー。

やすおのお気に入りは、玄米ご飯にちりめんじゃこをのせ、醤油をかけてガガッと混ぜる食べ方。玄米の濃い味を楽しめます。白米に梅干しをのせて、あの香りを楽しむのも、もちろん大好きです。

🍚 玄米と白米、炊き方の違いは?

白米は、やさしく洗って白米用の水加減・白米モードで炊くのが基本です。玄米はぬか層が残っているため、白米と同じ設定では硬く仕上がることがあります。初めてなら、お使いの炊飯器の説明書に合わせ、玄米用の水加減と玄米モードから試すのがおすすめです。

玄米は洗っても白米のように水が白く濁りにくいのですが、それで汚れがないという意味ではありません。いづよねでは、ザルやボウルを使い、表面についたほこりなどを落とすよう、きちんと洗うことをお伝えしています。

昔からいづよねでは、ザルで玄米の表面をこすって研ぐ工夫もお伝えしてきました。よりふっくら仕上げるための一つの方法ですが、毎回たくさん研がなければ玄米を食べられない、ということではありません。 現在の玄米モードが備わった炊飯器なら、説明書どおりの洗米・水加減でもおいしく炊けることがあります。

玄米の浸水時間や水の量は、品種と炊飯器によって変わります。詳しい考え方はいづよねの玄米ご飯の炊き方で、白米については白米のおいしい炊き方で紹介しています。

「もちもち玄米」は、白米モードでも炊けるお米です

なお、ここで少し商品固有の話を。いづよねが販売している「もちもち玄米」は、玄米モードでも白米モードでも炊いて楽しめる、やわらかさが特長のうるち米です。

  • 玄米モード:やわらかく、もちもち。炊飯時間は目安約2時間。
  • 白米モード:やや弾力を残した食感。炊飯時間は目安約1時間。

最初は白米用の目盛りで試して、硬ければ次回は玄米用の目盛りへ。やすお自身は、玄米用の水加減で炊くもちもち感がお気に入りです。炊飯セミナーでは、洗ってすぐ、浸水なし・白米モード・玄米用の水加減で炊くこともあります。ただし、機種によってはできない場合もあるので、炊飯器の説明書を優先してください。

令和8年産は、五ツ星お米マイスター5名を含むいづよねの全社員が試食。玄米モードで炊き、例年どおりのもちもち感と甘みを確認しています。これは今年の社内試食による感想で、過去のお客様レビューとは別の情報です。

「玄米を試してみたいけど、硬いのは苦手」という方は、令和8年産もちもち玄米の商品ページも参考にしてみてください。現在の産年・内容量・栽培情報は商品ページでご案内しています。

🌿 玄米か白米か、迷ったら「分づき米」という選択も

いきなり玄米へ切り替えるのが不安なら、玄米の外側を少しずつ削った「分づき米」もあります。

いづよねでは、白米が好きなお客様に、まず7分づきから試していただくことがあります。お好みに合えば、7分づき → 5分づき → 3分づき → 玄米と、少しずつぬか層を残す割合を増やしていく方法です。

もちろん、白米と玄米を日によって食べ分けてもかまいません。やすお自身も、玄米だけを食べ続けているわけではありません。新米の季節は白米の試食も大切な米屋の仕事。「玄米ばっかり食べてられへん」というのが本音です(笑)。

分づき米の違いは、「分づきって何? 白米や玄米とどう違うの?」で詳しくご紹介しています。

❓ 玄米と白米について、よくある質問

Q.玄米のほうが白米よりカロリーが少ないですか?

炊いたご飯100g当たりでは、玄米152kcal、白米156kcal。差はわずか4kcalです。玄米だから必ず痩せる、ということではありません。

Q.玄米と白米を混ぜて炊いてもいいですか?

混ぜて楽しむこともできます。ただし、玄米と白米では吸水や加熱に適した条件が違うことがあります。両方を混ぜる場合は、炊飯器の説明書にある混合炊飯の案内を確認してください。

Q.玄米はどれも硬いですか?

いいえ。品種や水加減、炊飯モードによって食感は変わります。やわらかい玄米が好みの方には、粘りのあるタイプを選ぶ方法もあります。

Q.結局、玄米と白米のどちらを選べばいいですか?

玄米の香ばしさや歯応えが好きなら玄米。白米の甘い香りや食べ慣れた口当たりが好きなら白米。どちらかに決めず、料理や家族の好みで選ぶのもおすすめです。

❤️ 「玄米をいやいや食べるぐらいなら、白米を楽しく」

やすおが玄米に関心を持ったのは、大きな病気を経験し、食生活を見直したことがきっかけです。本人が玄米を取り入れた時期に感じた変化はありますが、玄米だけがその原因だったと証明できるわけではありません。まして、玄米が病気を治すという意味でもありません。

「玄米は体に良いから、みんな食べるべきですか?」と聞かれたら、やすおの答えははっきりしています。

「玄米をいやいや食べるぐらいなら、白米を楽しく食べた方がいい」

玄米の栄養も、白米のおいしさも、どちらも大切。でも一番大切なのは、お客様やご家族が食卓を楽しめることです。

「玄米と白米、どっちが優れている?」ではなく、「今日はどっちをおいしく食べたい?」。いづよねは、その一杯を一緒に選ぶお米屋さんでありたいと思っています。

📚 出典・取材について

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この記事を書いた人

創業以来、137年続く神戸の米屋『いづよね』4代目店主。お店で扱う米は、店長自ら、農家へ出向き、田んぼを見、土をさわり、生産者の話を聞いて選んだ安全で美味しいお米が主力! そのお米たちをお客様の目の前で精米しています。 現在は、自分の闘病生活から、お米の力を実感し、あなたに合ったお米、体に良いお米の楽しさを伝える活動『お米のセミナー』を実践中。また、同じ想いで商売をしているお米屋さんの支援を始めています。
お取引先件数 ★約500件の飲食店さま(ミシュラン掲載店 5件)★97件の保育施設さま(地域シェアNo.1) ★約2000件の一般顧客さま
【日米連 5ツ星 お米マイスター 認定番号502-28-111】
【食育デザイナー No. 06080046】
【日経トレンディ 米のヒット甲子園 5年連続審査委員長】

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