発芽玄米とは?
お米のプロの米屋が「発芽玄米」について解説いたします。
発芽玄米とは、「玄米を発芽させたお米」のことです。
炊くときも白米に混ぜて炊くだけなので、とっても楽なことが特徴です。
玄米を発芽させる意味
それでは本題の
「玄米を発芽させること」にどんな意味があるのでしょうか?
玄米はイネの種子ですから、
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水に漬けておくと発芽のスイッチが入ります。
すると、デンプン分解酵素やタンパク質分解酵素など
いろいろな酵素がつくられてきて、
自分が養分として胚乳に蓄えてきたデンプンやタンパク質を分解して、
次の世代の植物になるためのエネルギーや原料として、
胚芽(胚)に栄養成分を供給するようになります。
つまり、ほんの少し発芽させるだけで栄養価が高くなるのです。
また、水に漬けておくことで
細胞の壁(細胞壁)も分解されて全体的に軟らかくなり、
食べやすくなります。
「発芽しよう!」というスイッチが入ると、
栄養がぐぐぐっと高まるイメージですね・・・!!!
発芽玄米をご覧になったことがある人はお分かりだと思いますが、
芽の伸び具合はだいだい0.5ミリメートルくらいと、ほんのわずかです。
このように玄米を水に漬けて少し発芽させるだけで、
いろいろな酵素が働いて、いろいろな栄養成分が出てくるし、
白米と混ぜて一緒に炊いても問題ない程度の柔らかさになるのが
最大のメリットですね😌
栄養成分
また、栄養成分の中でもグルタミン酸が分解されて出てくる
「γ-アミノ酪酸(通称:GABA)」には、
①高血圧を防ぐ
②脳の血流を良くする
③リラックス効果をもたらしストレスを軽減する
④睡眠の質を高める
などの効果があります!
信州大学茅原紘教授の研究によれば、栄養成分の中でも、
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グルタミン酸が分解されて出てくる
『γーアミノ酪酸(通称ギャバ:GABA)』には、
高血圧を防いだり、
脳の血流をよくする効果があるという。
「発芽玄米には、
玄米よりも『γーアミノ酪酸』が多く含まれます。
また芽が伸びれば伸びるほど、
『γーアミノ酪酸』を含め
いろいろな栄養成分が出てくるのです。」
また、GABAについて
このような記述もありました。
GABAとは、γ-アミノ酪酸を英語で表した
「Gamma Amino Butyric Acid」の頭文字を取った略語です。
普段から体内で作られるアミノ酸の一つで、
人間はもちろん他の動物や植物の体内にも存在しています。
1950年に哺乳類の脳から発見され、
タンパク質を構成しないアミノ酸であり、
体内で神経伝達物質として
働いていることがわかっています。神経伝達物質には神経を高めるものと
抑えるものがありますが、
GABAは神経の興奮を抑制する神経伝達物質です。
近年ではストレスを緩和するためにという謳い文句で、
さまざまな食品が登場しています。
これは、GABAの働きによって
ストレスで交感神経が強く働くのを抑え、
自律神経のバランスを整えリラックス効果をもたらすと
言われているためです。逆に、神経の興奮を高める物質に
https://www.gohansaisai.com/fun/entry/detail.html?i=795
ドーパミンやアドレナリン、
グルタミン酸などがありますが、
GABAはこのグルタミン酸から作られます。
つまり、興奮系の神経伝達物質を消費して(なくして)
抑制系の神経伝達物質が作られる(生じる)ことにより、
自律神経のバランスを保つのに貢献できるのです。
発芽玄米の注意点
こんなに良いところ尽くしだと思われる発芽玄米にも
要注意点があります・・・。
それは、何ミリメートルも芽が出ていたら、
見た目も食味も悪くなり
消費者から嫌がられる、という点です😭
芽を伸ばす塩梅が難しいので、
慣れない方は美味しく食べられるようになるまで、
時間がかかるかもしれません・・・。
発芽玄米の作り方
以下、発芽玄米の作り方です!
①玄米をザルで洗い、ザルごとボールに入れ12時間くらい水に漬けます。
②ザルをボールから上げて、水を入れ替えます。
③さらに12時間、水に漬けます。
④米粒から爪楊枝の先のような芽が1mmほど出てきたら、出来上がりです!
(夏場は、水が腐りやすいので、冷蔵庫に入れて下さい)
(冬場は、ぬるめのお湯の方が発芽しやすいです)
(だいたい24時間〜48時間で発芽します)
⑤サッと洗って、玄米の水加減と玄米モードで炊いて下さい
(玄米のように、ゴシゴシ洗わなくてOK)
まとめ
「発芽玄米」について、少しでもお分かりいただけましたでしょうか?
発芽玄米は、玄米特有の栄養豊富さに加え、
「GABA」の効果が大きいですね(^^)
GABAには、
血圧の上昇を抑える、睡眠の質を高める、ストレス軽減、中性脂肪の燃焼を促進する、という有益な効果が見込まれます。
以下、おさらいです!
ストレス軽減
ストレス軽減GABAを摂取すると、
副交感神経の働きが過発になり、
脳内の「α波」が増えて精神的な緊張を和らげてくれます。
脳への酸素供給量を増やす働きもあるため、
ストレスによって脳が酸欠になり、
脳細胞がダメージを受けるのも防げます。
また、強いストレスを受けたとき人は免疫力が低下しますが、
GABAを摂取することで、
ストレスを受けても免疫力の低下を抑えられることがわかってきました。血圧の上昇を抑える
血圧の上昇を抑えるGABAを摂取すると、
血管を通じて末梢臓器のノルアドレナリンによ る神経伝達を抑制し、
血管の収縮を抑え血圧の上昇を予防する効果があると考えられます。
GABAの血圧抑制効果については多数の研究からもわかってきており、
高血圧の人にとっても血圧上昇を防ぎたい人にも嬉しい物質です。
さらに、GABAは腎臓の働きを活発にして、
血液中の塩分を排出し、
利尿作用を促すことで血圧を下げる働きもあると言われています。睡眠の質を高める
睡眠の質を高めるGABAを夜に摂取すると、
自然な入眠ができたり、
寝つきが良くなったりするとされています。
不安やストレスなどが多く、
交感神経が優位になってグルタミン酸が大量に分泌されると、
脳の興奮状態が続いてしまい、眠れなくなってしまうのです。しかし、GABAを摂取することで脳の興奮を抑え、
副交感神経の働きを高めてリラックス効果を促せるため、
寝つきが良くなるだけでなく睡眠の質も高められると考えられています。
睡眠の質が上がるのは、
血液中の成長ホルモン濃度が上がるためという研究報告もあります。中性脂肪の燃焼を促進する
中性脂肪の燃焼を促進するGABAはエネルギーの消費を高め、
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内臓の代謝を上げる働きがあるほか、
血液中の中性脂肪やコレステロールにアプローチし、
脂質の代謝を促せることもわかってきました。
GABAによって肝臓のタンパク質合成が促されることで、
エネルギー源として体内の脂質が
消費されるのではないかと考えられています。
また、これについてはGABAとタンパク質を一緒に摂取すると、
さらに代謝が高まるともされています。
少し手間はかかりますが
みなさんも一度、挑戦してみてはいかがでしょうか?😊
いづよねスタッフ ちー