お米の保存方法
今回は、白米が長期間の保存に向かない理由と、保存方法についてお話しします!
白米の長期間保存はオススメしません(>_<)
白米も生鮮食品なので長期間の保存はオススメしません。
野菜やお肉に比べて、ぞんざいに扱われがち(?)な白米ですが、
しっかりと冷蔵庫での保存をオススメします。
そちらについては、後ほど詳しくお話しします!
白米が長期間保存に向かない理由
ではなぜ、白米は長期間保存すると、食味が悪くなるのでしょうか?
それは・・・大前提として、米は《イネの種子》であり、生き物です。
収穫後も呼吸をしており、酸素を取り込んでデンプンなどの有機物を分解し、二酸化炭素を排出しています。
したがって、時間が経つにつれて米の内部では様々な変化が起こり、それにともなって、どんどん味も落ちていくのです。
ズバリ、長期間貯蔵することによって食味が悪くなるのは、
【酵素の働き(活性)が失われること】と、【細胞の壁(細胞壁)が固くなること】が、原因です。
酵素の働きが失われると、米を水に漬けたり(浸水・浸漬といいます)、炊いたりする間にデンプンやタンパク質の分解が行われず、美味しい成分(呈味成分)が出てこないのです。
また、細胞壁を構成するセルロースなどの成分どうしが結合して、組織が硬くなってしまうと、水に漬けても柔らかく炊きあがりません。
参照:〜Q&Aご飯とお米の全疑問〜より
著:食品総合研究所・大坪研一室長
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000194418
さらに、長期間貯蔵していると食味が悪くなるだけでなく、米に含まれる《脂質》が酵素によって分解され、香りも悪くなってしまうのです。
これがいわゆる「古米臭」という臭いです。
米に含まれている脂質は、リノール酸やオレイン酸などの脂肪酸とグリセリンが結合してできています。
脂肪酸は、炭素が繋がってできていて、一番端には酸(カルボキシ基)があります。
このカルボキシ基が酸化還元されると、不快な臭気が出てくるのです。
ちなみに、【リノール酸】とは・・・
植物油に多く含まれている不飽和脂肪酸の1種で、大豆油やコーン油に多く含まれます。
https://www.nisshin-oillio.com/customer/faq_detail.html?id=4000014#:~:text=%E6%A0%84%E9%A4%8A%E6%88%90%E5%88%86%20%E3%83%AA%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%85%B8%E3%81%A8,%E3%81%8C%E7%94%9F%E3%81%98%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
植物油に多く含まれている 不飽和脂肪酸で、オメガ6(n-6)系脂肪酸に属します。
人間の体内でつくることが出来ないので、食物からとる必要があり、
体の組織が正常に機能する上で欠かせないため必須脂肪酸と呼ばれています。
不足すると皮膚障害が生じることがあります。
また、血中コレステロールを上げにくいといわれています。
グレープシードオイルやコーン油、綿実油、大豆油に多く含まれます。
【オレイン酸】とは・・・
こちらも植物油に多く含まれている不飽和脂肪酸の1種で、オリーブオイルに多く含まれています。
https://www.nisshin-oillio.com/customer/faq_detail.html?id=4000013&category=&page=700
植物油に多く含まれている 不飽和脂肪酸で、
オメガ9(n-9)系脂肪酸に属します。
LDL(悪玉)コレステロールを上昇させないといわれています。
体内でも作り出すことができ、
また、酸化しにくい特質を持っています。
べに花油(ハイオレイック)、オリーブオイル、
キャノーラ油(なたね油)等に多く含まれます。
脂肪酸は、炭素が繋がってできていていちばん端には酸(カルボキシ基)があります。
具体的な対策
では、上記の様な品質の低下を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
まず前提として、米の呼吸量は貯蔵温度の上昇とともに増えていきます。
したがって、食味の悪化や匂いの発生を少しでも遅らせるためには、
【低温で貯蔵すること】が大事です!
オススメは、白米の状態でジップロックなどの密閉できる袋に小分けにし、野菜室に入れておくことです!
また、絶対水に濡れるところに置かないこと!!
カビの原因になります。
低温貯蔵することにより、カビや微生物、害虫の発生も抑えることができます◎
美味しく楽しくお米を食べていただくためにも、
保存方法には気を遣ってくださると幸いでございます(^^)
また、 精米後はなるべく1ヶ月以内に召し上がるようにしてください!!!
(夏場は暑くなるので、3週間程度が理想です。)
お米も生鮮食品であり、生き物であり、命です。
「ただお米を美味しく食べてほしい…」と、願ってやまない米屋からの一言(いや二言三言、それ以上…)でした(^^)
また、夏場は「お米に虫が入っている!」というお声を頂くことが少なくありません。
ただ、先ほどもお伝えしたようにお米も農作物ですので、虫が混入してしまうことが極まれにあります。
そんな「お米に虫が沸いてしまった!」という時の解決方法と、虫を沸かせない保存方法について、こちらのブログで紹介しています(^^)
【お米に虫が沸いた!そんな時はどうすれば良いの?予防するには?】
夏場は虫の活動がどうしても活発になります。
保存方法の工夫をしていただくことで、虫の不安や心配を少しでも払拭出来れば幸いです!
ここまで読んでいただきましてありがとうございます!!!
また、次回のブログでお会いしましょう:-)
いづよねスタッフ ちー