お米屋さんにできるSDGsとは?お米屋さんに出来ること、もっと皆さんに知ってもらいたい!

今回のテーマは「米屋でできるSDGsは何か?」です。

SDGsとは、「持続可能な開発目標」のことで、
2015年9月の国連サミットで採択された、
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて
記載された国連加盟193か国が、2016年から2030年の
15年間で達成するために掲げた目標です。

持続可能な世界を実現するための
17の具体的な目標が掲げられています。

持続可能とは「何かをし続けられる」ということです。
SDGsは、私たちみんなが、ひとつしかないこの地球で暮らし続けられる
「持続可能な世界」を実現するために進むべき道を示した、
つまり、ナビのようなものです。

https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/about/
「unicef」公式ホームページより


その中で、田んぼとSDGsは
7つの目標に関わっています。

水田とSDGs

とっっっても分かりやすいページを
NPO法人田んぼ・大崎市産業政策課さまが
作成してくださっておりますので
こちらをご参照ください(^^)✨
☆「田んぼのSDGs宣言」
https://oitayuki.com/pdf/project/tanbonoikimonosihyou.pdf

簡単にまとめると・・・

②「飢餓をゼロに
→水田農業は1万年以上続いた
「最も持続可能な農業」であり、
生産と生物多様性の問題と、持続可能な農業を
同時に解決できるのが田んぼである。

④「質の高い教育をみんなに
→持続可能な発展のための学習にとって
田んぼの学習が効果的である。

☆UNESCO緑の市民プロジェクトが
実際に学習活動を行っている小学校を
優良事例として紹介しています

⑪「住み続けられるまちづくりを
→地域社会の生活圏の安全と強靱性は
農村生活が基盤になっている。

⑬「気候変動に具体的な対策を
→農業によって、
持続可能な生産と消費が支える社会を作ることが
気候変動を具体的に解決する最も有効な手段である。

⑭「海の豊かさを守ろう
→浅い水域である田んぼやため池、
水路の生物多様性の急激な低下を防ぐ必要がある。

⑮「陸の豊かさも守ろう
→陸上の生物多様性は、
里地・里山の減少率が最も高いことが分かっている。
☆メダカや赤トンボなどは
田んぼの生きものの代表でしたが
現在はその数が激減しています。

⑰「パートナーシップで目標を達成しよう
→地域の行政、JA、地域に関わる生協連、農家などが
農村の環境の改善を解決することが出来る。

特に②の「飢餓をゼロに」という目標ですが、
水田農業が”極めて持続的な農業”と言われるゆえんは
水田は縄文時代後期より
ほぼ形を変えずに残ってきたためです。
生命維持に必要なカロリーを供給する穀物の生産は
米を作る水田農業
小麦やトウモロコシなどを生産する
畑作農業に分かれます。
世界的に見ると
水田農業は、主に日本やアジアモンスーン地域で、
畑作農業は、主に欧米で行われています。

モンスーン・アジアでは、米作が行われる夏期に降雨量が集中する。
ヨーロッパでは夏の降水量は米作を行うには足りないが、
年間平均して雨が降るので、雨水を利用した畑(小麦)作が中心となった。

https://webronza.asahi.com/business/articles/2018122200001.html
〜論座:世界でいちばん持続可能な水田農業を潰す日本農政〜 山下一仁著 より


アジアモンスーン地域とは・・・
一般的に、南アジア、東南アジア、北西太平洋、
東アジアを含めた地域のこと。
日本は東アジアに含まれます。
ちなみにモンスーンとは「季節風」のこと。

畑作農業では、
同じ農地に毎年同じ作物を栽培すると収量が落ちる
連作障害という現象が起こります。
例えば、
トウモロコシの後には同じ畑にダイズを作付けする、
などという輪作が行われてきました。

これに対して、水田農業には連作障害がありません
毎年同じ米を同じ水田に作付けしても
収量は落ちず、輪作などは不要なのです。

また、一粒からの生産力という点で
お米は小麦よりも遥かに優れています。

アジアモンスーン地域の面積が
世界全体の14%であるにも関わらず、
世界人口の約6割を養っているのは
お米のチカラ
なのです。

わずか数十年の間に
激しい土壌浸食を生じてしまったアメリカ農業に比べて
数千年の間、
持続的な農業を行い
多数の人々を養ってきた水田農業は、
まさしくSDGsの2つめの目標である
「飢餓をゼロに」という目標達成に
大きく貢献していると考えられます。

参考:https://webronza.asahi.com/business/articles/2018122200001.html
〜論座:世界でいちばん持続可能な水田農業を潰す日本農政〜 山下一仁著 より

さて話を戻しまして、
上記の目標から分かるように
田んぼは、SDGsの特に”環境の分野と
密接な関わりがあることが分かります。

では、田んぼが環境に及ぼす影響について
具体的にお話ししていきます(^^)

水田が持つ環境的機能

そもそも、私たち米屋とSDGsとの関係について考えると、
まずは、田んぼ(水田)が浮かびます。
水田は環境にとって非常に重要であり、
水田が持つ機能には以下のようなものがあります。

・土砂崩れを防ぐ機能

・土の流出を防ぐ機能

・洪水を防ぐ機能

・川の流れを安定させる機能

・地下水を作り出す機能

・暑さを緩和する機能

・癒やしや安らぎをもたらす機能

・生物の生息場所になる機能

・農村の景観を保全する機能

・文化を伝承する機能

・体験学習と教育の機能

(資料:日本学術会議「地球慣用・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について 平成13年11月 及び関連付属資料)


これを知った時は
「田んぼってそんなに沢山の役割があるんだ・・・❗」と
私自身、非常に驚いたのを覚えています。

特に田んぼと「」との関わりは
切っても切れないものなのです。

具体的には・・・
土砂崩れを防ぐ」というのは
田んぼが、雨水を緩やかに地下へ
浸透させてくれるからで、

洪水を防ぐ」というのは
田んぼが、雨水を一時的に貯留することで
”天然のダム”の働きを担うからで、

暑さを緩和する」というのは
田んぼの水面や稲から
蒸発・蒸散した水分のおかげで、、、

このように田んぼは沢山の自然災害から
私たちを守ってくれているのです。

その他、「地下水を作り出す」というのは
田んぼの水が土のフィルターを通って
地下に浸透するという”天然のろ過装置”によって
綺麗な地下水を作ることが出来るからで、

田んぼの景観」は私たちに
「懐かしさ」や「安心感」という
安らぎを与えてくれます。
(少なくとも私はそう思っています😌)

また、田んぼには沢山の生物が暮らしており
田んぼ特有の環境が多様な生きものを育んでくれます。

そんな田んぼは(先程も少しお伝えしましたが、、)
何千年も前からずっと伝え続けられてきたものです。
先人達が培ってきたものの恩恵を
今度は後生に伝えていくことも
田んぼの役割の1つであり、
私たちの義務でもあると言えます。

さらには、
稲の光合成により
大気中の二酸化炭素を削減して酸素を増やしたり、
大気中の有毒ガスを吸着したりする効果もあると
言われています。

水田の減少が及ぼす影響

しかし、近年、
日本列島でのゲリラ豪雨の被害が
増加していることからもわかるように、
水田は減ってきているのが事実です。

水田が減ってしまうのは、
お米の消費量が減っていること
主な原因の一つであるため、
水田を守るためにも、
お米を積極的に食べることが大切です。

いづよねは兵庫県にあるので、
兵庫県の資料を参考にすると・・・


兵庫県民が今より
毎月茶碗1杯多くご飯を食べると、
お米の消費量が13万トン増え、
26,000haの水田が復活し、
その水田が保水できる容量は
5,200万トンにもなるそうです。

これは甲子園球場90杯分に相当する量です!


実際に、水田の雨水貯留機能を人工的に高めて
豪雨時に水田流出量を抑制する
「田んぼダム」が実施されており、
これにより、
水田周辺域の浸水被害軽減に貢献しています。

参考:https://www.naro.go.jp/project/society5-sdgs/reaserch_result/157785.html

〜農研機構:水田を活用した豪雨対策〜より

いづよねでの取り組み


紙製品&ビニール袋の削減


そんな中、いづよねでは、eco活動の一環として、
紙製品ビニール袋の削減に取り組んでいます。

紙製品の削減というのは、
具体的には、玄米が入っていた米袋を
宅配便の段ボール箱の代わりにすることで、
紙の使用量を減らしています!

実物はこちら↓↓↓
(ちなみにこれは私です😂)

どこの産地の袋が届くかというのも
楽しみにしていただけると嬉しいです😊✨


また、ビニール袋の削減というのは
いづよねでは「通い袋」という袋を作り
その袋をお客様に毎回持ってきてもらう
ecoな取り組みを行っています!
こちらは普段スーパーなどで販売しているような
ビニール製の袋ではなく
お米用の紙袋を使用しております😊

通い袋には、その日にお客様に購入して頂いた
お米のお銘柄や精米度合いを書いた
シールを貼っています!

今までの注文の履歴が分かるのはもちろん、
お買い上げの送料が30㎏に到達すると
300gプレゼントしております✨
ポイントカード気分で使って頂けるのも
嬉しいポイントだと思います!
ポイントだけに、、、(笑)



ネットショップでの「eco袋」や
ご来店時の「通い袋」を使用することは、
世界的に問題になっているプラスチックの使用量軽減、
二酸化炭素の排出削減、石油資源の節約、
身体に悪い化学物質を出さないこと、などに
貢献できるメリットがあります!

プラスチック製品の使用を減らすことは
海や川に流れ着くゴミの軽減にも繋がります。
プラスチックは適切な処理をして
リサイクルや再加工をしない限り、
ごみとして地球上に残ってしまいます。

また、二酸化炭素の排出削減によって
地球温暖化の抑制にも繋がります。

子供たちや保育園の先生方への食育活動

いづよねでは、代表の川崎によるお米のセミナーを
神戸市の保育園さまへ向けて
定期的に開催しています!

お米の素晴らしさを知ってもらうため
お米の美味しい炊き方や、お米の栄養、歴史、
環境問題について、数種類の品種の食べ比べなど、
毎回盛りだくさんの内容となっております!

子供たちに直接お話をさせていただくこともあれば、
保育園の先生方、栄養士や調理の先生方、
さらには保護者の方々向けの
セミナーも開催しております。

このような食育活動を通じて、
もっともっと多くの方に
お米の美味しさを知ってもらうことで

お米を好きになって欲しい、
興味関心を持ってもらいたい、

そうすることで、
持続可能な未来に繋がっていくことを願っています。

国産のお米の消費量を上げることで、
生産拡大を目指す

今までSDGsについて
色々お話してきましたが、
いづよねが出来る一番簡単で重要なこと、
それは・・・
みなさんにお米の美味しさを知ってもらい、
より沢山のお米を食べてもらうこと
です!

水田には沢山の環境的機能があるとお伝えしました。

その水田が無くなってきているのは
お米の消費量が減っているから。
それなら、お米をたくさん食べて消費量を増やせば
水田は帰ってきてくれるはず・・・!
(しかし生産者さんの少子高齢化問題が深刻で、
そう単純な話ではないのですが・・・)


つまり、
私たちが国産のお米を沢山食べることは
食糧自給率アップに大きく貢献出来るのです。


現在の日本の食糧自給率はカロリーベースでわずか38%です。
この低さの原因は
・自給率の高いお米の生産量が減っていること
・肉や乳製品の消費が増えてきたこと

が、考えられます。
しかし、お米の自給率はほぼ100%で、
38%のうちに占めるお米の割合はとても大きいです。

要は、他の小麦やお肉などの食品は
輸入に頼ってしまうのが現状ですが、
お米が頑張れば食糧自給率全体のアップが望める!
ということです。

お米の消費量が減っている今、、、

お米の消費量の推移(1人1年あたり)
参考:https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/ohanasi01/01-03.html
〜農林水産省 お米の自給率〜⑦お米の消費減少を食糧自給率低下 より


いづよねの使命は

☆お米に込められた生産者さんや産地の想いを
消費者の皆さんに伝えること。

☆一人でも多くの方に、
お米の美味しさ(&美味しい食べ方)を知ってもらうこと。

☆美味しいお米で、皆さんに笑顔になってもらうこと。

お米であなたを笑顔にしたい」というのは
いづよねの理念そのものです。

参考:https://www.omusubi-gonbei.com/company/sdgs/
〜おむすび権米衛さまHP〜より

まとめ

ここまでご覧いただき
本当にありがとうございました😭

以上が、米屋でできるSDGsについての話でした。

みなさんも、お米を積極的に食べて、
水田を守ることを目指してくださると
とっても嬉しいです!!!

いづよねでは
「お米であなたを笑顔にしたい」の理念を掲げ、
お米の素晴らしさを全国に広げていきたいです!🍚

その取り組みの先に、
SDGsへの貢献に繋げることが出来れば
スタッフ一同何も言うことはありません・・・(T-T)

そしてそして、
もしお米の素晴らしさに既に気付いているそこのあなた、
良かったら周りの方への布教活動なんかを
していただけないかな〜なんて考えております!!!

みんなでお米を沢山食べましょう!!!🍙

いづよねスタッフ ちー